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糖尿病のスクリーニングとして行われる尿糖の検査

この検査のみで糖尿病の確定はできません

人間が活動するための大切なエネルギー源であるブドウ糖は血液によって運ばれており、腎臓の糸球体で一度濾過されたあと、尿細管から再吸収される仕組みになっています。

したがって、健康な人はブドウ糖が尿中に漏れ出すことはほとんどありません。しかし、体の働きに異常が起きていると、尿細管からの再吸収が追いつかなくなり、ブドウ糖が尿中に漏れ出してきます。これが尿糖です。

尿糖が大量に出る病気の代表格は糖尿病ですので、この検査は糖尿病のスクリーニング(ふるいわけ)の一つとして、健診などで広く行われています。検査方法は、採取した尿に試験紙を浸すだけですので、非常に簡単です。

ただし、腎臓の糖排出能力に異常があると、血糖値は正常であるにもかかわらず尿糖が出てくることがあります。これを腎性糖尿といい若い人にしばしば見られるものです。これは病気ではなく、その人の腎臓の個性のようなものですので、体に実害はありません。

糖尿病のほかにも、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、膵炎などでも尿糖が高くなることがあります。糖質の多い食品を食べた後、尿糖が確認されることもありますが、一過性ですので心配はありません。

腎臓に異常が尿中に排出されるタンパク質の量が増えます

腎臓の濾過機能がわかります

血液中には常に一定量のたんぱく質が含まれていますが、腎臓で血液を濾過する際に、その大半は再吸収されます。したがって、健康な人の場合、尿中に排出されるタンパク質(尿タンパク)は1日あたり50〜100mgと微量です。

逆に尿タンパクが高値を示した場合には、腎臓の濾過装置である糸球体に異常がある、腎尿細管・尿管・膀胱・尿道のどこかにタンパク滲出あるいは出血がある、などが疑われます。腎臓の障害の種類や程度によっては、基準の数百倍の数値が測定されることもあります。

1回の検査で異常が確認されても、それだけをもって診断が確定するわけではありません。再度、尿タンパクの検査をおこない、なお異常値が出たら、尿沈渣、赤血球数、白血球数などの検査と、腎臓と尿路を調べる精密検査をおこないます。

腎臓病であることが分かったら、基本的に運動が制限され、過労や寒さを避けて、安静を保つことが求められます。治療の成否は食塩とタンパク質を制限することを柱とした食事療法にかかっていますので、医師の指示を厳格に守ることが重要です。

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